今年、没後50年を迎えた三島由紀夫と師弟関係にあった川端康成を廻るドキュメンタリー。同じ年のノーベル文学賞の候補とされ、二人は二年という時を置いてともに自殺する。三島の「金閣寺」を演出した宮本亜門がこの二人の作家それぞれの終わりの意味を探る。なぜ自殺を選んだのか、その理由がどのようなものだったとしてもそれは最悪の選択だ。作家は物語を作り、その物語を生き、物語を終えた時、言葉は止み、作家は役目を終える。作家というフィクションから脱することに失敗した不器用な川端。フィクションをリアルに繋ぐために自らの命を犠牲にした三島。二年後に川端は没後50年目を迎える。