カラブチェフスキーとサンパウロ交響楽団によるヴィラ=ロボスの交響曲シリーズがBOXセットになった。“ブラジル風バッハ”やブラジルの舞踏音楽に基づくショーロスなどブラジル風作品で知られるヴィラ=ロボスだが交響曲12曲(5番が紛失され欠番なので実質11曲)は打楽器が頻繁に使用されているもののブラジル的な民族色はあまり強くはなく、そういう意味ではヴィラ=ロボスの代表作とは言いにくいかもしれない。しかし生涯40年に渡り作曲を続けた交響曲はロマン派風の初期作品から合唱まで加えたカンタータ風な10番までそれぞれが個性に富んだ作風を持ちもっと聴かれるべき佳作揃いである。