2000年代の菊地成孔との共演や芳垣安洋経由でのGO THERE!から入ったという人も結構いるのだろうか。エレガントで官能的ながら鋭いタッチのピアノに衝撃を受けたもの。その後も精力的に活動しながら後進の育成にも力を注ぐ世界的ピアニスト南博が92年にリリースした初リーダー作が待望の再発。ツアーで巡ったヨーロッパの都市から着想を得、NY録音の本作、ドラムにはウィンター&ウィンターでの作品や藤井郷子との共演でお馴染みの名手ジム・ブラック。いつか王子様が~戦メリなどスタンダードも交え、エネルギッシュながら音の粒立ちがよく端正な演奏は既に表れていて完成されている。