ジェフ・パーカー、ミゲル・アトウッド・ファーガソン、ファビアーノ・ド・ナシメントというゲスト・アーティストの面子を見て気になったのだが、それ以上にこのミア・ドイ・トッドのシンガーとしての魅力に心を奪われた。美しく神秘的な雰囲気を持った彼女の歌声は、アナログ感のあるサウンド・プロダクションのなかで、空間的な奥深さを感じさせる。淡々と紡がれるメロディーと、グルーヴの変化によって後半に向かって徐々に盛り上がって行くM1の楽曲構築の絶妙さや、南米音楽の要素が色濃く反映されたM2、M4など、多彩な楽曲に一貫して強く響く歌声に注目して欲しい。