デビュー・アルバムのワーグナーとR.シュトラウスの作品集が鮮烈な印象を残した期待のソプラノの2枚目。『フィデリオ』に始まる重量級のアリアを歌いこなす豊麗な歌声はやはり素晴らしい。名曲ヴェルディ“神よ平和を与えたまえ”では〈やっぱりこう来なくては〉と聴き手が爽快感すら覚える圧倒的な声量に聞きほれますが、マスカーニ“ママも知る通り”で見せる繊細な風情も聞き逃せません。そして 『オテロ』 “アヴェ・マリア”の繊細なピアニッシモの何と美しいことか。最後を締めるのが“ヴェーゼンドンク歌曲集”という凝った作り。純粋に歌を聴く喜びを存分に楽しんで頂けることでしょう。