Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、5人が1曲を厳選し計5曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部
【鈴木英之介】
日向坂46・濱岸ひより “ひよタンバリン”
For Tracy Hydeの夏botさんが「まさかの轟音サウンドでびっくりした……。」とTwitterで紹介しているのを見て知った一曲。EDM的なサウンドの曲やピアノ主体のポップ・バラードのような曲が比較的多い坂道グループにあって、このようなシューゲイザー風の曲は、たしかにいままでになかったような気がする(そんなに詳しいわけではないので、違ったらすみません)。歌やアレンジのちょっとぎこちない感じも含め、個人的には面白い仕上がりだと思った。夏botプロデュースによる坂道流シューゲイザーも、いつかぜひ聴いてみたい。
【小峯崇嗣】
MADE IN HEPBURN “Gloria”
福岡を拠点に活動する5人組バンド、MADE IN HEPBURNから久々に届けられた2曲入りのニュー・シングル『Gloria』。その表題曲は、レイドバックしたメロウなサウンドと心地よいビートが絡み合った、美しい一曲に仕上がっています。5月の憂鬱な気分を和らげてくれるような、チルで滑らかな雰囲気が最高です。
【田中亮太】
KZMT “TRA”
渋谷のVISIONで開催されているハウス~テック・ハウスのパーティー〈EDGE HOUSE〉のレジデントDJ、KZMTさんが新曲をリリース。軽やかにストリートを闊歩していくかのような推進力に溢れたヒップ・ハウスでやられました。一音一音の迷いのなさがめちゃくちゃクール。ジョッシュ・ウィンク的なウワモノのシンセも高揚感を煽るし、“NEW JACK HOUSE”への2020年代からのアンサーといった趣も(勝手に)感じています。
【酒井優考】
南端まいな “pray”
自分が人生で一番嵌った、世界で一番カッコよかったバンドが今週その活動を終えます。彼女たちがいない世界なんてつまらないとも思うし、でもこうやって音楽だけは残っていくからよかったとも思うし、一言では言い表せない複雑な気持ちのまま最後の日を迎えるんだと思います。これは、そんなバンドのヴォーカリストの、元同僚でもある南端まいなさんのカヴァー。同じく原田珠々華さんによるカヴァーも素晴らしかった。
【天野龍太郎】
あっこゴリラ “I’m here”
〈ロキソニンきまったって苦いビールみたい/生理 正義 それが何? ぜんぶ失敗〉というラインにはっとした。〈I’m here〉という短い、2つの単語だけのセンテンスに、強さや弱さ、希望や不安、その他もろもろ、さまざまな感情が詰め込まれている。そういうものを〈背負う〉とまではいかないけれど、そういうものと共に、ただ一緒に〈私はここにいる〉ということ。あっこゴリラの“I’m here”は、そんな率直でパーソナルなラップ・ソングでありながらも、だからこそ聴く者にそっと寄り添う、とても力強い曲だと思う。配信リンクはこちら。