確かに、エレキ・ギター二人とドラムを支える低音がチューバというのは衝撃だ。プログレッシヴ・ジャズ・ロックというジャンルがあることをこのバンドのプレス・リリースで初めて知った。札幌で活動するCANADAというバンド。チューバが務めるパートを普通にベースで演奏すれば、もっといいという人もいるかもしれない。しかしこのバンドでのチューバは、アンサンブルのボトムをクリアに際立たせ、こういう音楽に欠けていた何かを思い出させたのではないか。ジェームス・ブラッド・ウルマー(エレキ・ギター)とボブ・スチュアート(チューバ)が在籍した頃のアーサー・ブライスの『Illusions』を思い出した。当然あるべきものを変えてみることの面白さを、改めて感じさせる。