新世代オルタナ・ロックの旗手として、〈サマソニ〉などで勇名を馳せる彼ら。ギタリストの脱退で3人組となり、この2作目で大きな変化を迎えた。多種のサウンドを詰め込んで1975の近作とも共鳴した前作に対し、本作は自身や社会の転機と真正面から向き合い、深化したストーリー性でエモーションを鳴らし切った印象だ。特にリヴァプールでの音楽活動を経験しているReiの流暢な英語詞とヴォーカルがバンドのアイコンとして大きい。緻密でいて破格のスケールも備えた音作りはコールドプレイのようなUK色が濃くなったが、天翔けるストリングスを纏った“Blinding Lights”は初期U2ばりのパワーがあるし、耽美的でいてシリアスな翳りを帯びた“Here It Out”はウィークエンドに勝るとも劣らない出来映えだ。