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インタビュー

Newspeakはそれでも前へ進む。〈いい未来〉を望むロック・バンドがたどり着いた転換作『Turn』

(左から)Yohey、Rei、Steven

3人組ロック・バンド、Newspeakのセカンド・アルバム『Turn』がリリースされる。

〈ターニング・ポイント〉を意味するタイトルが冠せられた、前作『No Man’s Empire』(2019年)からおよそ2年ぶりとなる本作は、4ヶ月連続配信シングルなどを含む全13曲入り。新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中、揺れ動く喜怒哀楽の感情をそのまま投影したような楽曲がずらりと並んでいる。例えば“Weightless”の歌詞には、未曾有の事態を前に対立と分断が進むSNSに対して警鐘を鳴らすメッセージが込められており、重厚なシンセ・サウンドとホーン・セクションが入り乱れるユーフォリックなアレンジとのコントラストが印象的だ。

前に進んでいこうとする3人の強い意志と覚悟。それは、混沌とした世界の中でも〈希望〉を見出そうと歌う、彼らの最高傑作の一つとなった楽曲“Great Pretenders”の歌詞にも表れている。さらに、トニー・ホッファー(ベック、ベル&セバスチャン)やダニエル・J・シュレット(ニック・ハキム、ウォー・オン・ドラッグス)といった気鋭のエンジニアをミックス・ダウンに起用し、奥行きと広がりが増したサウンドスケープも圧巻だ。

未だ予断の許さぬ状態が続くなか、3人は何を思うのか。アルバムの制作エピソードや、そこに込められた思いを紐解きながら、バンドの〈今〉に迫った。

 

コロナ禍でも止まらずにやっていこう

――昨年(2020年)、コロナ禍でのシングル4ヶ月連続配信があって、そのうちの3曲が収録された今作『Turn』は、まさに〈コロナ禍の1年を経て完成したアルバム〉と言えるのではないかと。

Rei(ヴォーカル/キーボード/ギター)「そうですね。ただ、アルバムの制作自体はコロナになる前から始まっていたんですよ。前作『No Man’s Empire』のリリース・ツアーの後にはもう〈次どうしよう?〉という話はしていたんですけど、ちょうどツアー中に〈中国で新たなウイルスが〉みたいなニュースが入ってきていたのかな。それで〈大丈夫かな〉と思いつつ、アルバムのための合宿を昨年2月ごろに行っていて。それが終わって東京に帰ってくるか来ないかくらいの時にダイヤモンド・プリンセス号の報道があった記憶があります。だから、合宿はギリ行けたんだけど、そこから先の制作を進めようという段階で、いよいよ本格的にやばい状況になってきた」

――そうだったんですね。

Rei「緊急事態宣言があってレコーディングがストップして、宣言が開けてまた再開して……みたいな感じだったんですけど、メンバーとは定期的に会っていたので、制作そのものが滞っていた感じはなかったと思います。まあ、ライブは出来なくなってしまったし、制作以外は何も出来ない状況にはなってしまいましたけどね。

それでも〈止まらずにやっていこう〉という気持ちがあったから、ステイ・ホーム期間中もカヴァー動画などを配信したりしました」

坂本龍一“Merry Christmas, Mr. Lawrence”、松任谷由実“真夏の夜の夢”のカヴァー動画。それぞれ2020年5月と7月に発表された

――ということは、コロナ禍になる前からアルバム用の楽曲は大体揃っていたと。

Rei「デモ自体はツアーが終わってすぐ作り始めたので、コロナの前からアルバムの半分くらいは出来ていました。ただ、それをアレンジしたりレコーディングしたりという作業をみんなでやりだしたのは、コロナになってからですね。そういう意味ではコロナの前に思っていたことを歌っている曲もあるし、コロナになってから考えていたことが反映されている曲もあります」

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