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90年代はカレー!?

――コンセプトはずばり90年代ということですが、最初からこの構想があったのでしょうか。それともシングルをまとめる段階でコンセプトが出てきたのでしょうか。

「ほぼ前者ですね。サードの頃からレトロ・フューチャーということで90年代っぽい感じをどんどん攻めていったんですけど、さっきの話でいうとサードは後者で。並べていったら90年代色がどんどん強くなっていたんです。だから次はがっつり90年代でいこうと」

今作のダイジェスト
 

――今回のアルバムの収録曲はどれも明確なテーマがあると思うのですが、Tnakaさんはどういった関わり方をしているのでしょうか。

「ゼロからイチの段階でなにか言うことはそんなにはなくて。こういうのがあったらいいよね、みたいな話は結構するので、例えば“PARA PARA Shi Night”は〈パラパラやりたいよね〉ということは言ったと思います。“天才!原色ガール☆”は〈みんなで一体感が出て盛り上がる曲がほしい〉とか。なので、90年代のサウンドとかではなくて、ライブを見据えたバランスを考えて言ったりはします」

――“天才!原色ガール☆”は電気グルーヴですよね。

「篠原ともえを意識して。シノラーを目指しました(笑)」

――なるほど! “クルクルミラクル”(石野卓球プロデュース)ですね。

「もともと私がシノラーをすごく好きってことで、そういう曲作ったよみたいな感じでデモが上がってきたんです。歌詞は自分で書いてるので、シノラーみたいに元気なものにしようと。サードのときよりも直接的に(元ネタが)わかりやすいものを目指して、ヴァラエティー感を出したかったんですよね」

――“SHOOTING STAR”は完全にTommy february6で。やりすぎだろうと思いましたが(笑)。

「私も原曲を聴いたときはおやおやと思いました(笑)。でも、Tommy february6自体が80年代とか70年代のオマージュじゃないですか。私、その時代のものも好きなんですよ」

――ここ何年も、というかここ20年くらいは80年代リヴァイヴァルみたいなものがずっと続いていて。それってその前の時代を参照にしたものがたくさん入っているからなんだろうなと思うんですよね。90年代もまた然りで。

「“MOVE ON”は私のなかではSPEEDとかDA PUMPをイメージしてるんですけど、それも元ネタがあるじゃないですか。90年代って色んなブームが全部混ざった時代と思っていて。80年代と言えばこれ、というのがいくつもあるとは思うんですけど、90年代はこういう要素もあるしこういうのもある、というのが混ざっていて、それが日本らしくて、カレーだなと思うんです」

――カレーですか。

「わかりにくいですけど、カレーってインドから来たもので、日本のアレンジで全然違うものに変わりましたよね」

――たしかに独自の発展を遂げた、オリジナルとは別ものですもんね。

「そういうジャパン・フィルターみたいなのが90年代は色濃いと思ってて。そこが私の好きな部分なんです」