(左から)岸優太、平野紫耀、神宮寺勇太

Number_iが“GOAT”で衝撃的なデビューを飾ってから1年9カ月。1年ぶりのアルバムにして2作目『No.Ⅱ』が完成した。3人の普段の会話をそのまま収めたという約3分半のオーバーチュア“In-flight”からスタートし、勇壮なストリングスが印象的なトラックにNumber_iがよりギアを上げて未知の領域を突っ走っていることが伝わる“未確認領域”に突入。“In-flight”と同様、3人の会話を活かしたスキットも複数収録。アルバムというアートフォームで何をすれば面白いかを追究し、3人がやりたいことを一層突き詰めた印象だ。平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太それぞれのプロデュース曲も収録。ほとんどの楽曲でタッグを組むPecori(ODD Foot Works)、MONJOE(DATS)、SHUN(FIVE NEW OLD)からなるプロデュースチームとのリレーションも深まっているようで、次々と新たなNumber_i像が現れる。3人に話を聞いた。

Number_i 『No.Ⅱ』 TOBE MUSIC(2025)

 

楽しいアドリブで繋いだコンセプチュアルなアルバム

――『No.Ⅱ』を作る上で何かイメージしたことはあったんですか?

平野紫耀「どうだったっけ? コンセプチュアルなアルバムを作ろうっていう話が出てたよね?」

岸優太「うん」

平野「ベースを作った上でまとまりのあるアルバムを作ろうっていうことは、最初から意識してましたね」

――その構想からオーバーチュアの“In-flight”から始まり、スキットが3回入る構成が生まれていったわけですか?

平野「そうですね。最初どこのスキットを作ろうってなったんだっけ?」

神宮寺勇太「“未確認領域”かな。そうしたら、いつの間にかどんどん……」

平野「増えていったんだよね」

神宮寺「録ってる中で楽しくなっちゃって(笑)。〈これもこれも追加しよう〉みたいな感じで、アドリブでどんどん決まっていきました」

――“In-flight”やSkitに入ってる会話はアドリブなんですね。

平野「アドリブですね」 

「台本なしのね」

神宮寺「一応最初に70%ぐらいの構想をみんなで考えて、あとはぶっつけです。録った後、編集する段階で、〈ここはちょっともたついちゃってるね〉とかみんなで話してカットしたり、精査していきました。そこはしっかり真面目に仕事しましたね(笑)」

――そういったやり方でアルバムを作るのは初めてだったと思うんですが、どうでしたか?

神宮寺「やっぱりまとまりが出るし、制作自体が楽しかったので、〈また次もこういうことやりたいよね〉って話してましたね。例えば、全曲の頭にスキットを入れるぐらいの。それは嘘ですが(笑)、また何かしらやりたいですね」

「スキットはまたやりたいよね」

神宮寺「うん。コンセプチュアルなアルバムって、通して聴くと作品としてすごく素敵だなって思いました」

 

岸優太のラップや好きなものが詰め込まれた“KC Vibes”

――岸さんは、自身がプロデュースした“KC Vibes”の作曲と編曲も担当しています。

「自分の挑戦という意味もありますし、そういうのをやること自体が好きなので。作詞はPecoriさんにお願いしたんですが、浮かんできたアイディアを自分なりに曲として表現させていただきました。ダークな雰囲気やビートの気持ち良さ、緩急の付け方とか、自分の好きなものを詰め込みました」

平野「かっこいい曲だよね」

「ありがとうございます!」

神宮寺「めっちゃラップしてるっすね」

「やってるっすね~」

神宮寺「岸くんがこれまでやってきたラップがたっぷり詰め込まれてるなあって思った」

「ありがとうございます。好きなものを詰め込んでる感じだよね」