オルケスタ・トゥ・ピュイサン・マルセル・デュシャンという名が読みづらい上に覚えづらい。デュシャンと言えば便器の泉が有名。管弦楽器、パーカッション、ギター他10名以上で構成された大所帯で拠点はスイス。本作は注目のレーベル〈Bongo Joe〉発の通算5作目となる。既存の音楽に全く別の意味や価値を付与する独自の観点はデュシャン的なのかも。アフリカ音楽、トロピカルなカリブ系から室内楽、ノイズやアヴァンギャルドな要素までを分解/再構築し、アフリカの儀式音楽やライヒのようなミニマル・ミュージック的反復とレインコーツやスリッツに通じるパンキッシュなラフさのある女性ヴォーカルでまとめあげた無国籍ポスト・パンク。
オルケストル・トゥ・ピュイサン・マルセル・デュシャン(Orchestre Tout Puissant Marcel Duchamp)『We’re OK. But We’re Lost Anyway.』アフリカ音楽からノイズまでを再解釈した驚異の無国籍ポスト・パンク
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