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数え上げたらキリがない!  〈降幡ワールド〉を構築する作品たちの一部を紹介!!

降幡が真っ先に挙げたフェイヴァリットがこの人。彼を起点にブラック・ミュージックを掘るなかで、80年代のシティー・ポップにも辿り着いたという。本作は、 どファンクからゴスペル調のソウル・バラードまで幅の広い一枚。

 

VARIOUS ARTISTS 『きまぐれオレンジ☆ロード Sound Color 3』 ユニバーサル(1988)

高橋留美子作品の他にも多々ある大好きなアニメのひとつが「きまぐれオレンジ☆ロード」。そのサントラ群には降幡が初ワンマンでカヴァーした中原めいこ“Dance In The Memories”など当時のムードを纏った名曲が並ぶ。

 

和田加奈子 『ゴールデン☆ベスト』 ユニバーサル(2011)

「きまぐれオレンジ☆ロード」の楽曲でも特に和田の“夏のミラージュ”“HEARTでふりむいて”が好みだという降幡。その2曲を収めたベスト盤の他、近年のシティー・ポップ~AOR再評価のなかでリイシューが進むオリジナル作にもブラコン名盤が!

 

竹内まりや 『VARIETY』 MOON/ワーナー(1984)

海外からの逆輸入でシティー・ポップとしての再評価の波が訪れた80年代の代表作。降幡は母親の影響で幼少期から彼女の楽曲を耳にしていたそうだが、初作に収録の“CITY”は“プラスティック・ラブ”のイメージから膨らませて制作したとのこと。

 

荒井由実 『COBALT HOUR』 ユニバーサル(1975)

ユーミンや中島みゆきの描く詞世界からこぼれる、女性の情念のようなもの。そんな特有の女心をスマートな演出で表現するユーミン曲のなかでも、特に“ルージュの伝言”あたりは世界観も言葉遣いも降幡ワールドの主人公に似合いそう。

 

Wink 『Twin Memories』 ポリスター(1989)

タイトルが薬師丸ひろ子の主演映画を思わせる“Yの悲劇”の歌詞には〈YADA〉の羅列といったポップなローマ字表現があるが、それはこのデュオを参考に。“パープルアイシャドウ”のMVで見せる振り付けもWink風。

 

VARIOUS ARTISTS 『決定盤 うる星やつら アニメ主題歌&キャラソン大全集』 ポニーキャニオン(2015)

トロピカルに弾む“ラブソングをかけて”のサウンド・イメージとして本間へ伝えたのは“ラムのラブソング”だという。ちなみに、その作・編曲を手掛けた小林泉美も近年リイシューが続いているアーティストの一人で、特に本人名義の初期3作品は降幡好きにもおススメ。

 

太田貴子 『Voice of Angel』 Solid(2021)

どこか「魔法の天使 クリィミーマミ」を思わせる『メイクアップ』のジャケだが、同アニメの人気曲を歌った声優/歌手の31年ぶりの新作にはayU tokiO、nakayaan、Magic, Drums & Loveらが参加。日本のインディー界と80年代サウンドの邂逅や如何に。

 

亜蘭知子 『浮遊空間』 ワーナー(1983)

“パープルアイシャドウ”の制作時にアーバンなディスコ・ファンク“I’m in Love”をよく聴いていたという降幡。ジャケからしてニューウェイヴィーな本作には、同曲をはじめ、歌謡性も仄かに含んだメロウなリゾート・ポップが多々。

 

石井明美 『ゴールデン☆ベスト 石井明美セレクション』 ソニー(2007)

サウンド・イメージとして降幡が伝えた“CHA-CHA-CHA”に対し、本間がTOTOを結び付けて完成したのが“RUMIKO”。なお、歌詞はH2O“10%の雨予報”の歌詞のサビに〈みゆき〉と名前が入ってる点に面白味を感じて書いたものだそう。

 

山口百恵 『メビウス・ゲーム』 ソニー(1980)

ELOあたりも連想するコズミックなシングル“AXIOM”のジャケは、本作もイメージにあったという。ヒット・シングルも含みつつ、ロック・オペラ風の壮大なテクノ歌謡もあったりと山口百恵作品のなかでも異色の一枚だ。

 

山口美央子 『月姫 MOONLIGHT PRINCESS』 ポニーキャニオン(1983)

可憐な中華ポップ“桃源郷白書”のサウンドは、山口美央子のある楽曲を元に本間へ提案したそうだが、結果、一風堂“すみれSeptember Love”風味が薫る一曲に。なお、本作のプロデュース/編曲は土屋正巳が担当している。

 

角松敏生 『AFTER 5 CLASH』 ARIOLA JAPAN(1984)

本文でも触れた“AIRPORT LADY”が収められている本作は、ジャケさながらの〈夜と都会〉をテーマとする一枚。美しい夜景がよく似合う、洗練を尽くしたメトロポリタン・ポップ集だ。「王道で好き」とは降幡の弁。

 

サカナクション 『 834.194』 NF Records/ビクター(2019)

往年のシティー・ポップに対する我流の回答とも言えそうなライト・ファンク “忘れられないの”のMVが公開された当時、ヤシの木のセットを背に黒いサングラス&白いスーツ姿で踊る山口一郎を観て、既視感を覚えた人は多かった。そう、杉山清貴じゃん!……と。

 

杉山清貴&オメガトライブ 『AQUA CITY REMIX』 バップ(2021)

別掲の既視感の元となったグループは、2023年でデビュー40周年。本作は、林哲司の監修のもと、記念イヤーに向けて当時の作品を現代の技術でリミックスしていくプロジェクトの第1弾だ。オールタイムの〈夏〉がここに。

 

DJ HASEBE 『HONEY meets ISLAND CAFE -NO SURF, NO LIFE-』 Insense Music Works(2020)

日本のヒップホップ/R&Bシーンで活動するDJ/プロデューサーが〈シティー・ポップ × サーフ感覚〉がテーマのミックスCDで組んだのは、降幡も好きだという大橋純子。“Sweet Love”のセルフ・カヴァーでメトロポリタンな叙情を注いでいる。

 

Night Tempo 『Night Tempo presents ザ・昭和アイドル・グルーヴ』 ポニーキャニオン(2021)

日本のシティー・ポップや昭和歌謡をフューチャーファンク化することでそれらの再発見を促した韓国人プロデューサー/DJ。昭和の名曲を今様に再構築するプロジェクトを進行中の彼のサウンドは、〈和モノ〉を追い掛ける際のソースとして降幡もチェックしているそう。