PEOPLE TREE
耳で聴いたピープル・トゥリー
後年取り上げた“My Cherie Amour”を例に挙げずとも、ライヴで“Ribbon In The Sky”を披露するなどしていた久保田は、独特の螺旋を描くような黄金のワンダー節を血肉化した数少ない一人だ。レゲエやアフリカ音楽への大らかなアプローチも通じる。 *轟
代表曲をバンドで再録したベスト盤。着想源は久保田とのコラボ・シングル“M☆A☆G☆I☆C”だったそうで、プレイヤーも柿崎洋一郎や岡雄三ら久保田人脈が参加。メロウネスを増した“イッサイガッサイ”など歌モノとしても聴ける曲がとりわけ映える。*田中
東京発〈エクスペリメンタル・ソウル・バンド〉は本作でJimmenusagi、ビラル、BewhYら国内外のゲストを召喚。なかでも話題を集めたのは久保田を歌い手に迎えた“Life Like This”で、シックなビートに乗り、社会を真摯に憂う姿を見せている 。 *田中
久保田サウンドを支え続ける鍵盤奏者/アレンジャーの柿崎洋一郎が、こちらも長期にわたってパートナーシップを築くヴェテランR&Bシンガー。当然、影響下にないわけはなく、2001年には〈久保田利伸〉にスポットを当てた『gift』を発表したりも。 *田中
大学生の久保田に“Jamaica”への憧憬を抱かせたという〈ミスターAOR〉。2023年に逝去して以降、久保田は頻繁に“What You Won’t Do For Love”を披露している。艶がありつつ、品の良さを失わない歌唱や音作りもボビーから受け継いだものか。 *田中
『Nothing But Your Love』(2000年)参加を経て、『Time To Share』では“Hold Me Down”をデュエットもしたネオ・ソウルの元締め。ディアンジェロやオマー、ミュージックらとの共演歴を思えば、そこに久保田が並ぶのも納得の好相性ぶりだった。 *轟
ほぼ同期ながら、久保田が〈アニキ〉と慕うデュオは今年デビュー40周年。Bro.KORNが作詞、久保田が作曲でお互いのヴァージョンが存在する“GIVE YOU MY LOVE”など、幾度も貢献し合い、日本のR&Bカルチャーを作り上げた兄弟たちだ。*田中
久保田の全米進出作にメンバー各々が参加していた、類まれなる〈ソウルの息子たち〉。今年の3月にドウェイン・ウィギンスが亡くなった際に、久保田は〈僕の“Just The Two Of Us”のビデオでもギター弾いてる人〉と綴り、哀悼を示していた。 *田中
年齢は親子ほど離れていながら、久保田が〈僕のいちばんの理解者・男代表〉と語るシンガーとは、DJ大自然をツアー・メンバーに擁するという共通点も。生音中心でパーティー・ヴァイブスが楽しいこの5作目を久保田ファンにはオススメしたい。 *田中