杉田俊介「ジャパニメーションの成熟と喪失 宮崎駿とその子どもたち」宮崎駿、新海誠、庵野秀明、細田守を論じ〈成熟〉の問題を現代社会へ接続

杉田俊介 『ジャパニメーションの成熟と喪失 宮崎駿とその子どもたち』 大月書店 (2021)
2021.12.17

戦後日本社会における〈成熟〉をアニメを題材にして語った杉田俊介の新著。杉田俊介といえば、労働問題、男性学、サブカルチャーと多岐に渡る論考で知られるが、本著では、江藤淳の「成熟と喪失」に依拠し宮崎駿とその子どもたち(新海誠、庵野秀明、細田守)を題材に取り上げている。第一部では宮崎駿と近藤喜文を、第二部では「風立ちぬ」を、第三部では新海誠、庵野秀明、細田守を論じている。本作でも宮崎駿が重要な位置をしめているが、第三部で新海誠、庵野秀明、細田守を取り上げることにより、〈成熟〉の問題を現代社会の問題(性差別、格差問題)へと接続することを可能にした意欲作。

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