ギターが激情的に泣き叫ぶ“霧雨の降る場所”や、幻惑的なサウンドを3拍子が盛り立てる“雨垂れに溶ける”、繊細なピアノを湛えた“群青”に、疾駆するビートと壮絶な咆哮が胸を撃つ“アザヤカナ”など、各メンバーが〈喪失〉をテーマに楽曲を制作。孤独や虚無を綴った京寺の歌詞が注目されるバンドだが、静謐な電子音を押し出した“斜影”の作曲がバンド名義なのも含め、メンバーの個性も魅力的に光るメジャー初フル・アルバムだ。