主に2.5次元舞台やドラマで活躍する俳優、石渡真修。彼のアーティストデビュー作『Flavor』が2022年2月2日にリリースされた。今年は俳優デビューから10周年というアニバーサリーイヤーを迎えた彼の新しい挑戦となる本作。
リードトラックである“Flavor”を含めた6曲入りのミニアルバムとなっており、収録曲は疾走感のあるロックチューンから心に寄り添うバラードまでバラエティーに富んでいる。そして“my STORY”では作詞も手掛けており、タイトル通り〈石渡真修の物語〉が彼自身の言葉で綴られている。
これまで俳優として様々な物語を演じてきたからこそ、新しい扉を開くことができた彼の新しい物語に是非耳を傾けてほしい。
〈自分〉ってどうやって表現したらいいの?
――まずは、アーティストとして活動をスタートさせた経緯を教えて下さい。
「元々、両親がゴスペルやギターを嗜むような、いわゆる音楽好きで。僕も小学生まではピアノをやっていました。だから音楽が身近にあったし、歌うこと自体は好きでした。ただ、歌が得意と思ったことはなくて、学生時代も友達とカラオケに行ってEXILEを歌うくらい。だから、自分がアーティストになろうという気持ちは持ったことがなかったです。
オファーをいただいたときは〈えっ、俺がアーティストデビュー? しかも、ソロ?〉と、普通にびっくりしました(笑)。でも、俳優としてのキャリアもちょうど10年だし、ここでまた新しいことに挑戦できるなんて、そんな機会も滅多にないじゃないですか。それにアーティスト活動によって、新たに俳優としての僕を知ってくれる人も増えるかもしれない。そういった理由もあって、〈ぜひやらせてください〉と快諾しました」
――これまでも、ミュージカルなどでの歌唱、あるいはキャラクターソングのレコーディング経験はありますよね。キャラクターとして歌う場合と、〈石渡真修〉名義、つまり自分自身としての歌をうたうことの違いは感じましたか?
「まったくの別物ですね。役として歌うときは、役が守ってくれるというか〈自分じゃない〉という意識があるので、普段の自分より堂々とできる部分もあるんですけど……。〈石渡真修〉名義で歌うとなったときに、〈えっ、『自分』ってどうやって表現したらいいの?〉みたいな」
――〈役を演じる〉ことと、〈自分を表現すること〉は別物だと。
「それをレコーディング中もずっと悩んでいたところ、ディレクターから〈曲の世界をイメージして、お芝居をするように歌ってみたら?〉とアドバイスを貰ったんです。それなら役者として、アーティストとして歌う意味があるのかなと思えるようになりました。まだまだ〈アーティスト・石渡真修〉を作っている最中ですね」