このブログやトピックスでもちょくちょく紹介している青森インディー・シーンの動向。積極的にネットに曲をあげてくれるため、ヒップホップ/テクノ/ハウスを横断するGLMYGLMの話題が多いですが、彼とHELLA GOODNESSを組むDIZOや、ビートメイカーのPHONON、バンド方面ではThe Majestic Tribesといった方々の情報をお伝えして参りました。そもそも、現在は関東に居を構える筆者の〈そういえば地元の音楽シーンってどうなってるのかな?〉という疑問がこのシーンをチェックし始めるきっかけだったのですが……ここ最近も面白い音源があるので、いろんな曲と共に同地の音楽の混沌とした魅力に迫っていければと思います。

まずは弘前発のドリーム・ポップ・バンド、nicotoneがBandcampでリリースしたばかりのニュー・アルバム『夜がきこえる、ぼくは飛行する』から。USインディー直系と言うよりは、はっぴいえんどから連綿と続く日本語ロック(と言っていいのか)の系譜も通過してきたような独特な味わいがあります。

 

そして! 本稿を書くきっかけとなった青森インディー・シーンのキーとなるインスト・バンド、聞こえないふりをしたkikoenaifuriwoshita)が久々に新曲を公開(冒頭に貼った音源です)。まだデモ段階のようですが、個人的にはUSのアンビエント・プロジェクトであるパン・アメリカンミニマル・ダブに挑んだ時代の大好きな楽曲を想起しました。彼らは現在、ニュー・アルバムを制作中とのことで、今後一気に名前が全国区となる可能性アリ。なお、10月25日(土)には、弘前で彼らの自主企画〈nuclear soundscape〉が開催。circeki kaという県外の素敵なバンドも出演する模様ですよ。

 【参考音源】パン・アメリカン“Code”

 

ここで、なぜ聞こふりが地元シーンのキーであるかと筆者が考えているかを説明すると、中心メンバーの佐藤さんがレーベル〈nor thmall lab〉を主宰している点が大きと思っていて。上記の面々をはじめ地元アーティストが参加したコンピ『a seasons』はぜひチェックしてもらいたい、現在進行形の青森シーンを知るうえでも重要な一枚です。自分の記事に何度も載せているGLMYGLMの名曲“斜陽”はここに収録。

 

新曲ではないけど、nor thmall labからリリースを重ねる和製エリオット・スミスなシンガー・ソングライター、鳴海徹朗さんが聞こふりとのコラボで臨んだゆーきゃんさん(〈BOROFESTA〉の主催者のひとりとしても有名)の“サイダー”の朴訥としたカヴァーも外せませんね。

 

そして、弘前シーンの良心として知られるヴェテラン、creepsも5年ぶりのアルバム『AFTER LIGHTS』を発表したばかり。シーンのトレンドとは無縁かもしれませんが、素朴でシンプルな音の芯に宿る強さは本物です。個人的な今年のベスト・アルバム候補がまたひとつ増えました。

 【参考音源】creepsの2014年作『AFTER LIGHTS』収録曲“世界はそっと美しい”

 

うーむ、すでにけっこうな文量になってしまいましたが、重要な人だけでもまだまだ全然紹介しきれていない! 80年代の国産ニュー(ノー)ウェイヴ・シーンで活躍したNON BANDNONさんや、彼女の新作を手掛けている元BEYONDSSAWPIT高杉大地さん、creepsの盟友で札幌ハードコアの聖地・KLUB COUNTER ACTION傘下のレーベル〈HOPPING〉からアルバムをドロップしたS.P.N POWER、ブレイク前のモデスト・マウスと共演して彼らを唸らせたCa-Pやその中心人物である藤井さんの多彩な活動、彼とも縁の深い青森が誇るポスト・ハードコア・バンド、Source Ageとなどなど……繰り返しますが、これでもごくごく一部!

【参考音源】Source Age“Taller Than Eye”

 

今回はまったくフックアップできませんでしたが、最近ではJAZZY SPORT周りとも繋がり始めている弘前のレコード・ショップ〈Record mann good〉や、NYハウスの殿堂・シェルターのレジデントDJを務めたKOICHI NAKAMURAさんが運営する〈PENT HOUSE〉の周辺もアツい。最後は、現在は東京に拠点を移した(?)93年生まれの天才ノイジシャン、epepeくんの作品でお別れです!