ゲール語で歌うスコッティッシュ・フォークの女神イシュベル・マカスキルを祖母にもち、自身もスコットランドの伝統音楽を演奏しつつブルーグラスやブルースも研究してきたフィドル奏者と、音楽院で修士号を取得しクラシックとジャズを学んできたピアニストによるデュオの4作目。ある種彼らのルーツと言える母国の民謡/伝統音楽の可能性を瞑想的な即興演奏と想像力によって広げた本作は、デビュー時から高い好評を得ていたふたりの最高傑作と言える。ヴァイオリンに似た共鳴弦を含む10弦のノルウェーの伝統楽器ハーディングフェーレが懐かしさと品のある楽曲に幽玄な響きを加え神秘的に美しい。