アルジェリア出身のマンドール奏者、アヌアル・カドゥール・シェリフ。母国アルジェリアからスイスへと亡命し、その心象風景が表現された本作は、マンドールの高音域の旋律とバス・クラリネットによるハーモニーをコンテンポラリー・ジャズのマナーで奏でるM1や、独特のリズムをキープしつつも刺激的なインタープレイへと流れていくM3など、アラブ・アンダルース音楽とジャズをミクスチャーさせた刺激的なサウンド。伝統に根ざしつつも現代的な要素が加えられたハイブリッドで革新的なアラビック・ジャズにのせて、母国への思いや新天地への希望など、様々な感情が綴られているようだ。