チェロを抱えて生まれてきたとまで言われるキューバの才女アナ・カルラ・マサによる2年ぶりの新作。前作同様にチェロ弾き語りという取っ付きにくそうなスタイルながら驚くほどに多様な奏法、多彩な音色、そして温かく爽やかでポップな歌声が心を奪う。今作は彼女が子供時代を過ごしたハバナのバイーア地区にオマージュを捧げた作品で、キューバのソン、ペルーのワイノ、サンバ、タンゴなどラテン・アメリカの様々なリズムがチェロひとつで巧みに表現されている点が素晴らしい。独奏部分も多くチェロと言う楽器の魅力を余すことなく堪能できる逸品だ。ラストで披露するピアノによる弾き語りも美しい。