名古屋発のベースレス・インディー・ポップ・バンドによる初のフル・アルバム。中心人物であるミナタニキクミの甘い余韻を残す女声ヴォーカルと軽やかなローファイ・サウンドは耳にとてもやさしく、オルタナティヴな鋭さやノイジーな歪みをほんのり湛えつつも脱力感を絶妙に併せ持っているので、総じてめちゃくちゃ人懐こくて愛らしい。チープでパンクな旨みが薫る“Summer”などでは、ヴァセリンズを思い出す。