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常に独自の道を歩んできたTWIGY
92年にMUROらと結成したMICROPHONE PAGERが今年で結成30周年を迎えたTWIGYだが、そのキャリアは87年に名古屋で刃頭と組んだBEATKICKSにまで遡れる。94年に雷を結成し、PAGERでクラシックな初作『DON’T TURN OFF YOUR LIGHT』を出した95年にはLAMP EYEの“証言”に名を連ね、『悪名』に参加するなど、彼が日本のヒップホップ拡張期における最重要人物のひとりなのは言うまでもない。ただ、ハイトーン・ヴォイスによる鋭角的なライミング、知的で謎めいたリリック、レゲエやUSサウスなどの影響も取り込む我流の音作りなど、マス狙いともアングラ志向とも異なる独自の角度から刺激的な音楽を追求してきた彼は、それ以上に天性のアーティストである。mabanuaらを起用した『Blue Thought』(2011年)以降は、Moitoとのトラップ作やBeat Studiesとのコラボを経て、『WAKING LIFE』ではYelladigosのFogやMUROと合体。その個性は新作を経てさらに際立っていくはずだ。 *狛犬
左から、TwiGy al Salaamの2011年作『Blue Thought』(Jazzy Sport)、TWIGY×MOITOの2015年作『SUCK MY TRAP』(7D)、TWIGYの2021年作『WAKING LIFE』(GOD INK)、TWIGYが参加したMOUSOU PAGERの2020年作『BEYOND THE OLD SCIENCE』(PAYME Archives.)