アトランタを拠点に活動する女性シンガー・ソングライター、ベッカー・ハービーのソロ・プロジェクト。キャリア初となるフル・アルバムはオールウェイズやマック・デマルコを擁するトロントのレーベル=ロイヤル・マウンテンからのリリースで、フィービー・ブリジャーズを手掛けたマーシャル・ボアがプロデュースを担当している。フォーキーな楽曲を中心にローファイ、シューゲイザーの要素も適度に織り交ぜた典型的なインディー・フォーク作で、決して派手さはないが、彼女のウィスパーでセンチメンタルな歌声を起因としてアルバム全体に醸し出される、若さゆえのナイーヴな感覚がたまらなく魅力的だ。生音中心のアレンジも好感が持て、聴けば聴くほど理解度の増す作品と言っていい。