2021年のプラハの春音楽祭の開幕を飾ったチェコのオリジナル楽器オーケストラによる“我が祖国”のライヴ録音。ルクスとコレギウム1704はゼレンカなど18世紀の古楽で成果を上げてきた団体。国民楽派の音楽は珍しいが、研究の成果と作品への愛情がひしひしと伝わる名演。ヴァイオリンの艶やかな音色はオリジナル楽器とは思えぬもの。チェコ・フィルをも思い出させる濃厚さ。快速で押しきった“シャルカ”や“ターボル”が熱量十分で聴きごたえある。そして“ブラニーク”の高揚は胸を熱くさせる。この演奏はチェコの古楽界だけでなく、クラシック音楽団体すべてに世界が注目するきっかけになるだろう。