大阪発の3ピース・ガールズ・バンドがメジャー・デビューを飾る初のフル・アルバム。〈分かりにくくてごめんね〉と歌う“二人”で顕著に見られる通り、自分でも理解できない心の揺らぎや言葉にしにくい女性の繊細な感情を、パワフルなギター・ロックに乗せて丹念に表現しているのがカネヨリマサルらしい。途方に暮れてしまうような失恋の悲しみからどうにかして前を向こうとする“26”は、個人的なストーリーのはずなのに普遍的な切実さがあって無性に生々しく刺さってきたりと、今をやり過ごすだけで精一杯な人にこそ届いてほしい、日記みたいな味わいの人懐っこいノクターンが満載。“I was”の英詞で聴かせるサビ、グランジっぽい歪みの効いたアレンジなども新鮮だ。