日独にルーツを持つ大阪出身でNY在住歴もあるシンガー/ソングライターの初作。縁あってジャム&ルイスと出会い、フライトタイムのジョン・ジャクソンも交えて制作された日米合作盤で、仄かにハウス味のある映画絡みのデビュー曲“Unity”やブレイクとなった“0 (Zero)”は、儚げで妖しい囁き系の歌声も含めて憧れの宇多田ヒカルを彷彿とさせる。が、日英ミックスの歌詞でアンビエンスを纏った曲を歌いながらJ-PopにもR&Bにも属さないスタイルは得難い個性。もちろん、ジャム&ルイス印が刻まれた“It’s So Fun”や“Smiley”などのスロウは、ジャネットやエンジェル・グラント路線の甘美なR&Bとしても楽しめる。