ツェムリンスキーに師事、作曲家を志しながらもマーラーから結婚の折に作曲を禁じられたアルマ(後年、悪化した関係を修復する意味もあって、マーラーはアルマに対し作曲の指導や出版の助力を行った)。現存するアルマの作品として知られる歌曲、当盤は“独りの歩み”を加え、先行盤に比して最も多い全17曲を収録。ピアノも同時代のスタインウェイを使用。当時の文化状況を巡る一断面においてアイコン的存在だったアルマの音楽世界を知る上で重要盤となる(国内仕様盤は広瀬大介氏による対訳付き)。カールワールツの平明でみずみずしい歌唱が非常に好ましく、アルマの作風を率直に受け取ることが可能となった。