ヴォーカルのジェイコブ・ラスクとプロデューサー2名によるLAのトリオが、昨年のEPに新曲を加えて完全版としてリリース。力強いテナーとファルセットにゴスペルの高揚も加わって心を揺さぶる歌声が、圧倒的な主役として鎮座するアルバムだ。サウンウェイヴが全面的に関わった楽曲は、レトロを装いつつも聴き込めばエレクトロニックな小技や凝った曲構成が効いており、よりダンサブルなディスコになった初期音源のセルフ・リメイク“Love And Hate In A Different Time”も良い。デラックス版に収録のライヴ音源はスタジオ録音の厳かさとは違った汗ばむようなパワーが迸っていて、こちらも圧巻。