LAを拠点に活動するソウル・プロジェクトによる7曲入りの初EP。ゴスペル的なヴォーカルの高揚を主軸に据えた音楽であり、楽曲はストリングスや管楽器も鳴るリッチな生音でのレトロ・ヴィンテージ系サウンドだ。だがそれだけではなく、ジャズやAORテイストを混ぜ込んだきめ細かい編曲やレイヤードされた歌声によって、きっちりと2020年代のモダンな響きを感じさせるのはプロデュースを務めたサウンウェイヴの手腕だろう。そして何より歌声の神々しいまでにシルキーでふくよかな響きに耳を奪われてしまう。アレンジを抑えたごまかしの利かないゴスペル“If You Only Knew”でのパフォーマンスも圧巻だ。来年春にリリースを控えているという本作のパート2も非常に楽しみになる、注目すべき一作。