近年は別名義の活動が続いた山仁の、この名義では久方ぶりの新作。あまた広がる思考を巡らせっぱなしのラップはキレキレ。みずからベースを奏で、ドラマーやイフェクト類と共に、昨今のシーンとはまったく違うベクトルで異才ぶりを解放する。混沌がとぐろを巻く“白目のアロハ”は解き明かせぬ本作の白眉。彼なりの語るべき世界と言葉、鳴らすべき音を昇華した一作だ。