純真で瑞々しく甘美な歌声が、涼風のように夏のうだる暑さを忘れさせる。スペインはカタルーニャという地が育んだまさにエヴァーグリーンという形容が相応しいシンガー・ソングライター、ライア・ラッハによるデビュー作。ギターを中心にしたバンド・サウンドも温かく牧歌的で、聴き進めるにつれてまるで緑土の中や星空の下にひとり身を置いた時のような解放感や安心感が味わえるのだが同時に郷愁や孤独、またなにか儚さも感じさせ、聴く者の内面に響く作品となっている。歌唱について直接学んだ事もあるという同郷の先輩ジュディット・ネッデルマンやカントリーのファンにもおすすめしたい。