東欧と言えば最も有名なのはドイツだろうが、西ではなくもちろん東なのでカンやクラフトワークなんて出てこない。ニナ・ハーゲンの名を見つけ思わず歓声をあげてしまった程に知ってる盤が無くてびびったが、いまの時代ネット環境あればだいたい聴けるんだから凄いな令和。掲載タイトルは60年代からベルリンの壁崩壊前年の1989年の間に発表されたもの。表現の自由のない時代ながら生み出された音楽は驚くほど多種多様で、筆舌すべきは英米とは異なるそのユニークさ。制約による不自由さを試行錯誤により独自の進化へと転換させている点は感動的発見だ。盤は国別に、さらに年代順に紹介されているため同時代の英米との聴き比べも容易でとても興味深い。
市来達志「東欧グルーヴディスクガイド 革命前夜の音を求めて」カンもクラフトワークもいない、60年代~89年に発表された多種多様な作品を掲載
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