ウィルコ、あるいはレディオヘッドに並ぶ存在になると期待されながら、マーク・リンカスの死によって、その活動に終止符が打たれてしまってから13年。マークが死の直前までスティーヴ・アルビニとレコーディングしていた未発表音源が突然のリリース。繊細すぎて、いまにも壊れそうなバラードはもちろん、グランジーなロックンロールを奏でても漂う強烈な寂寥感は、まさにスパークルホースならでは。アメリカーナのエッセンスを電子音混じりのローファイかつスプーキーなサウンドに落とし込んだ全14曲を聴けば、誰もが思うだろう。新たな伝説を語りはじめるだけの価値は十二分にある、と。