韓国のエレクトロニック・ミュージック・デュオが発表した新作は、幻想的かつ艶やかな音像が際立っている。スティーヴ・ライヒといったミニマルの巨匠に通じるサウンドは端正で、角がない柔和な電子音は人懐っこい旋律を紡ぐ。現代音楽などアカデミックな要素の濃い文脈で楽しめる一方で、そうした学術的知識がなくとも享楽的に聴ける気持ち良さもある。