近年はTVドラマ「Pose」への出演などでLGBTQ+コミュニティのアイコンとして注目を集める俳優/シンガーの新作。今回はブロードウェイ絡みではなく、97年の初作以来と言えるオリジナル作品だ。ただし作風は異なり、ジャスティン・トランターやジャシファーといったポップス最前線の気鋭たちが手掛ける楽曲は、レディ・ブラックバードとの共演版も収録した既発の“Children”に代表されるディスコやダンス・ポップが中心で、ビヨンセの近作とは違った角度から黒人のクィア当事者として誇り高く自信に満ちた歌声を披露する。サイケなバラードや快活なファンクも含め、壮大にして優しさの滲む意欲作だ。