90年代に入ってストリートからの再評価を受けていたウェルドン・アーヴィンの99年に発表したコンシャスなアルバムが初リイシュー。非武装だったアフリカ系の青年アマドゥ・ディアロが警察官に射殺された事件を背景に、ブラック・スターで頭角を表していたモス・デフ&タリブ・クウェリとの“Hip Hop Speaks”、そこにQ・ティップも交えた“Make It All Better”といったヒップホップとクロスオーヴァーした楽曲を主軸に、メロウな70年代マナーから当時のネオ・ソウルに接近したような“Break Bread”などもあり、いま聴いても新世紀の到来を控えた時代ならではの空気感が伝わってくる意欲作だ。