芸人としての活躍ぶりは言わずもがな。これまでクラシック音楽の素養やボカロへの習熟で新たな顔を見せながらプロデュース活動をメインに行ってきた粗品が、自身の歌とギターによるストレートなバンド・サウンドを選んでファースト・アルバムを完成した。ベースの藤本ひかり(元 赤い公園)とドラムスの岸波藍(元SEPTEMBER ME)とのトリオというパンキッシュでプリミティヴなアンサンブルのかっこよさを問答無用で発揮。甲本ヒロトの影響が顕著な歌いっぷりも清々しく、さらに詞作や発語の魅力には抜きん出たものがある。ぶっきらぼうな知性とピュアな歌心で感情を揺さぶってくる名曲揃いの一枚だ。