ジョン・メイオール（John Mayall）が90歳で死去　ザ・ブルースブレイカーズでクラプトンらを輩出したブリティッシュブルースの父

ジョン・メイオールが死去した。

ジョン・メイオールが2024年7月22日、米カリフォルニアの自宅で家族に囲まれて亡くなったことが、彼のオフィシャルサイトやInstagramなどのSNSアカウントで発表された。90歳だった。

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ジョン・メイオールは1933年11月29日、英チェシャーのマックルズフィールド生まれのブルース／ロックミュージシャン。オフィシャルサイトのバイオグラフィによると、マンチェスターで育ち、10代の頃に父親のレコードコレクションからジャズやブルースを聴くようになった。

14歳でアートスクールにてピアノに触れ、ギターやハーモニカも演奏するようになる。18歳で兵役に就き、演奏活動を続けていたものの、1962年頃まで英国ではブルースは古い音楽だとして注目されていなかった。

ジョンは30歳でグラフィックデザインの仕事を辞め、ロンドンへ移住。ミュージシャンを集めてザ・ブルースブレイカーズを結成した。その後バンドはジョン・リー・フッカー、T・ボーン・ウォーカー、サニー・ボーイ・ウィリアムソンといった伝説的なブルースマンのツアーのバックを務めるようになる。

ザ・ブルースブレイカーズには1965年、ザ・ヤードバーズを脱退したエリック・クラプトンが加入。名盤『Blues Breakers With Eric Clapton』を翌1966年に発表した。しかしクラプトンとベーシストのジャック・ブルースは、クリームを結成するために脱退。1967年にはピーター・グリーンがリードギタリストである『A Hard Road』や、自身とドラマーのキーフ・ハートリーとのデュオで吹き込んだ『The Blues Alone』といった名盤を残している。

ザ・ブルースブレイカーズは、のちにフリートウッド・マックを結成する前述のグリーン、ザ・ローリング・ストーンズに加わるミック・テイラーといったギタリストを輩出した。ほかにもフリートウッド・マックのジョン・マクヴィとミック・フリートウッド、フリーのアンディ・フレイザーといった著名なプレイヤーたちが在籍していた。

米ロサンゼルスに移住したジョンは、1970年代は米国でロックやブルース、ジャズの演奏を続ける。そして1982年には、ザ・ブルースブレイカーズを再結成。アルバート・キング、バディ・ガイ、エタ・ジェイムズといったレジェンドともライブで共演を果たす。

2003年、ジョンの70歳を祝うユニセフ支援のためのコンサートには、クラプトンやミック・テイラーらが出演。BBCはジョンの人生とキャリアについてのドキュメンタリー「The Godfather Of British Blues」を放送した。2005年には、英国女王栄誉賞（OBE）を授与されている。そして2008年にはザ・ブルースブレイカーズの封印を宣言、新たなキャリアのスタートを切った。

80代になってもレコーディングとライブを精力的に続けていたジョンだったが、2022年に健康上の理由からツアー活動を引退。2022年の『The Sun Is Shining Down』が最期のスタジオアルバムになった。

ジョンの死を受けて、クラプトンは追悼動画を公開している。