
小林愛香のライフスタイルをゆるラップ化 佐伯ユウスケとの“YARUSHIKANAI”
――続く先行シングルの“グミチュウ”も、今回はパソコン音楽クラブによるリミックスでの収録となりました。
「こんな表現方法があるんだっていうすごくかわいらしいリミックスですよね。オリジナルもかわいくてすごくドリーミーな感じというか、おもちゃ箱っていう感じがしたんですけど、それよりちょっとゲームっぽいというか、グミのゲームをやったらこうなりそうだなみたいな感じが(笑)」
――ここでの小林さんのボーカルもキュートなカットアップがされていて、フロア映えしそうな仕上がりですね。そして続いての楽曲“YARUSHIKANAI”では佐伯ユウスケさんをフィーチャーしてのラップを聴かせています。小林さんのラップはこれまでも聴いていましたが、こうしたローファイ気味なトラックでの、スチャダラパー的なけだるい感じのラップは新鮮ですね。
「そうですね、ゆるラップみたいな感じのものはやったことがなかったので、どんな感じにしようかなっていうのは思ってたんですよね。今までもラップはやったことがなかったわけではないですけど、こうした掛け合いみたいなものはあんまりなかったので、やってみてすごく楽しかったです。レコーディングもお遊びテイクというか、ちょっとふざけてやったものがほぼ使われていたりして」
――佐伯さんとはどうレコーディングされていったんですか?
「佐伯さんとは、同じブースでちょっと区切られてはいるんですけど、向かい合いながら、でも仕切りがあってすっごい細い窓からちょっとだけ佐伯さんが見えるという感じで、私も小窓から見える佐伯さんを感じ取りながらレコーディングしました(笑)」
――それもまた新鮮な経験ですね。
「佐伯さんもわんぱくボーイなので、最初のテイクからずっとモノマネばっかやっていたんですよ。だから最初のほうのテイクはほぼ使えなかったんですが(笑)、それもあって楽しく収録させていただきました。それこそ歌うというよりかは、本当に遊んで喋っている感じでラップさせていただいていました」
――佐伯さんとのマイクリレーも軽快に、本当に日常について会話するようなゆるさが心地いいですね。
「この曲を作るにあたって、佐伯さんとの食事会が開かれて、そこで話した内容がほぼ使われているんですよね。例えば、自分が大変そうだなって思うこととか、お仕事を自分としてどういうスタンスでやっているのかとかを聞かれて、そこで私が〈やるしかないと思ってますね〉って話したら、そのワードから〈もうやるしかないっすよね!〉みたいに繋がっていって」
――なるほど。そうした小林さんのライフスタイルに即したリリックになっているのもあって、小林さんのラップもまた板についているといいますか。
「やった! うれしい!」

コンペで掘り出した〈すごい宝物〉のワクワク感
――そうしたさまざまなアプローチにトライした前半を経て、アルバム後半は“Live goes on!!”という実に小林さんらしいロックナンバーから始まります。ちなみに、この曲や“アミュレットメモリー”、“だれも知らないんだ”は、田代さんや同じくQ-MHzの田淵智也さんが主宰するキュレーション番組「アニソン派!」での公開コンペで選ばれた楽曲なんですよね。
「この楽曲たちは、集まったみなさんの楽曲を1曲1曲全部聴いて選んだんですよ。なので100曲以上のなかから見つけ出した楽曲なので、すごい宝物を掘り出してしまったなみたいな。そこもまた楽しくて。今まで〈こういう曲が歌いたいから、こういう楽曲を作ってください〉って言って出来上がっていく過程も楽しかったんですけど、こういう曲を募集しますって集まってきたものに対して、〈こう来たか〉というワクワク感を楽しむことができて、新たな制作の楽しさを知ることができて、すごくいい機会をいただいたなって思います」
――小林さんが歌うことを想定されて集められた楽曲からアルバムに収録するにあたって、どうチョイスしていったんですか?
「“Live goes on!!”はもうとにかく、〈これは私のために作ってくれたんだな〉というのが伝わってきた楽曲で、聴いてライブが見えた楽曲でした。結構最初の方から、〈これはすごく私っぽいな〉っていう理由で選ばさせていただいた楽曲です」
――たしかに実にライブ感がある仕上がりですよね。
「そうですね。みなさんで歌っているライブがすごく想像できたので選ばせていただいて。
“アミュレットメモリー”は、コンペのときはまたちょっと違う雰囲気で、そこからより壮大になって、より温かみが増したのが今のこの形です。そういう過程も見ることができたのがすごく楽しかったですね」
――デモの段階からブラッシュアップされていく過程を見ることで、歌う側にも影響はあったと。
「“だれも知らないんだ”も最後の楽曲なんですけど、もともと送られてきてたデモがワンコーラスだけだったので、そこから後半にいくにつれてどんどんと世界観がより大きく表現されていったんですね。ワンコーラスだけでは想像できない展開になっていったのがすごく面白くて、そういう流れを体験できたのもいい経験だったな」