歌手・声優の小林愛香が2ndフルアルバムをリリースする。前作の『Gradation Collection』(2021年)に続く本作『Illumination Collection』には、制作の中心を担っているQ-MHzとの楽曲やクリエイターコンペで採用された曲など魅力溢れる楽曲が集まり、イルミネーションのように輝く作品となっている。収録されている楽曲の制作秘話や新たなチャレンジなどを赤裸々に語ってもらった。 *Mikiki編集部
自分の新たな〈色〉と可能性を発見したアルバム
――小林愛香さんの2ndフルアルバム『Illumination Collection』がいよいよリリースとなります。フルアルバムとしてはおよそ3年ぶりです。アルバム制作にはどんな気持ちで臨まれましたか?
「前作『Gradation Collection』が私のアーティストとしての初めてのアルバムということで、〈私がアーティストとしてどう歩んでいくか〉というものを示したものだったんですね。いろんな曲を歌うけど、それが全部グラデーションで繋がっているみたいな作品だったんですけど、今回はみなさんに届けていくうえで、自分が何を伝えたいかというのをもう一回考え直したときに、私は聴いてくれるみなさんの人生の彩りを与えたいなというのを思って活動させていただいていて。
〈彩る〉って人によっていろんなものがあると思うんですけど、私には光というか、灯されるものでもあるし照らしてくれるものでもある、そういう光の輝きに導かれている部分もあると思っているんです」
――なるほど。
「みなさんが人生を振り返ったときにこの曲たちが側にいてくれたらなって、人生を彩る楽曲たちを集めたいなって思ったんです。なので今回は『Illumination Collection』というタイトルをつけさせていただきました」
――たしかに前作はプロデューサーの田代智一さんや、田代さんが所属するQ-MHzの色も含めて、小林さんの魅力がグラデーションのように映し出されるもので、EP『syzygy』ではより発展したアプローチも聴かせるようになって、そこからさらに新機軸も見えた、まさにイルミネーションのようにさまざまな輝きを見せるのが今回のアルバムなのかなと。
「自分でも〈まだやれることがこんなにあったんだ〉って思いましたね。自分のなかにまだこんなにも〈色〉があったんだなっていうのことに気づかされましたし、自分自身の可能性も感じることができた作品になりました」
――そうしたアプローチの多彩さは小林さんのボーカルの表情のつけ方によく表れていますよね。
「そうですね。今までみなさんと歩んできたからこそいただいた表現、というのはすごく感じていて。今までの自分じゃできなかった表現の仕方とか、チャレンジもできなかったような部分もあると思います」