Perfumeの『JPN』然り、〈日本〉を表す表題の作品が増えた〈3.11〉以降。日本社会とそのマインドをつぶさに観察し、時に時代を挑発してきた彼女の新作の題名も、その一環ではある。しかし当代の空気をヴィヴィッドに感じ取り、曖昧な気分や退屈も言葉に表しつつ、それを音楽の力でブレイクスルーしてきた腕っぷしは一朝一夕のものではない。本作も安易な発揚や憂国を飛び越えた、エレガントでリッチな音楽的結実を果たしている。お気に入りの凄腕セッションマン、弦楽隊や管楽器奏者、そして元東京事変やSOIL&“PIMP”SESSIONSなど、数多の著名プレイヤーが腕を振るうファンク、ガレージ・ロック、エレクトロニカ、ジャズ、ワルツ……どの曲もグルーヴィーで洗練されていて、痛快の極みだ。