2023年開催予定が延期され、かえってハイレベルな内容となった今年のエリザベート王妃国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門の記録。優勝したドミトロ・ウドヴィチェンコのショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番が凄い。パッサカリアの豊麗な低音と緊張感、終楽章の追い込みなど、この作品の録音の中でも屈指の名演と思う。彼には日本音楽財団よりストラド・パギンスが貸与された。2位のジョシュア・ブラウンのブラームスは安全運転だが骨太。結果としてウドヴィチェンコ以外はアメリカで勉強し、3位以下は東アジア系のアーティスト。吉田南のモーツァルトは大舞台でも愉悦感あり期待したい。