チャーリーXCXの“Guess”をプロデュースしていきなり脚光を浴びたハリソン・パトリック・スミスのワンマン・プロジェクトによるファースト・アルバム。一聴した雰囲気やタイトル、アートワークなども含めてラプチャーやLCDサウンドシステムの時代への憧憬があるようで、かつてのジゴロ勢やエレクトロクラッシュのサウンドがダンスフロアに描きまくった陳腐な乱痴気や猥褻さをスタイリッシュに取り戻そうという若々しい情熱も感じられる。既聴感に既聴感を積み重ねた楽しいエレクトロの(良い意味で)身体に悪い金太郎飴は(良い意味で)馬鹿馬鹿しく、 (良い意味で)だいたいこんなもんだろう。