
意外で新鮮なオアシスのピアノトリオカバー
――そしてアルバム終盤で収録されたのが、オアシスの“Wonderwall”のカバー! これは驚きの選曲ですね。1990年代UKロックの大名曲を、ゆったりと大きなグルーヴを感じさせるアレンジで聴かせるのが新鮮でした。
「正直、僕自身はオアシスはそんなに通ってなくて。この選曲は、鈴木さんのアイデアなんです。
もちろんよく知っている曲だけど、今回カバーするにあたって、原曲を何度も何度も聴き返して。それで、原曲の最後だけに入るリフがあることに気付いて。急にそこだけに出てきて終わるフレーズが面白いなと思って、そのフレーズから始めようと思いついたんです。あとはコードも少し変えたかな。
テンポ感はちょっと原曲に近い感じにしつつ、ギターが印象的な曲をグランドピアノでやるだけでも、かなり印象が変わりますよね。ベースラインは一から考えて、なるべくディープな感じにしたいなと。なかなか苦心しましたけど、アレンジはかなり気に入ってます」
――ゲストボーカルのRay Yamadaさんは、透明感のある歌声が素敵ですね。
「元々は面識がなかったんですが、知り合いに誘われて観に行ったイベントで彼女が歌ってて、そこで紹介してもらったのがきっかけです。ちょうど“Wonderwall”のカバーを歌ってもらうシンガーを探していた時期で、いいタイミングで出会えました。この透明感のある声と、オアシスの曲の組み合わせは意外性もあって面白いんじゃないかと思って、すぐオファーさせてもらいました。
彼女自身の楽曲では、情感があふれる歌い方をする印象があったんですけれど、今回のカバーでは抑えめに歌ってもらいたいとオーダーを出したら、ばっちり理想的な歌を吹き込んでくれました。ちなみに、この曲の制作している時には、オアシスが来日するなんてまったく知らなかったんです。なんか、すごいタイミングになっちゃいましたね(笑)」
世界各地に活動を広げるため、これからもひたすら作品を作り続けたい
――この『Sunrise』というアルバムが、10年の集大成であると語っていらっしゃいましたが、あらためて聴いてみて、どんな作品に仕上がったと感じますか?
「やっぱり10年という区切りを意識して作ったこともあって、最後の“Last Song”まで聴くと、思い出が走馬灯のように浮かんでくるというか。ちょっと自分でも感動するところはあります。
あと、さらに個人的な感想になっちゃうんですけど、今年の7月にドイツツアーに行ってきたんです。アルバムの収録はツアー前には終えていたので、ドイツでもアルバムの楽曲を多く演奏してきて。曲を聴いていると、現地で演奏している情景が浮かびますね」
――Nautilusはドイツとはどんな縁があるんですか?
「僕らの1stシングルを出した時から、すごく気に入ってくれて、応援してくれるDJ(オノプス/Oonops)がドイツにいて。今は、彼が自身でレーベル立ち上げていて、僕らのアルバムや7インチをリリースしてくれているんです。今回のツアーも彼がブッキングから何から全部やってくれて。12か所ぐらい回ったけど、どこもかなり盛り上がりました。ありがたいことに、再来年もドイツツアーの話をもらっていて、次のアルバムもリリースしようと言ってくれているんです。
今は日本とドイツの両方にフィールドがあるので、そこからヨーロッパや他の世界各地にもどんどん行きたい。そのためにも、これからもひたすらに作品を作り続けようと思ってます」
RELEASE INFORMATION

リリース日:2024年12月18日(水)
■CD
品番:URDC114
価格:2,640円(税込)
■LP
品番:URDC129
価格:3,960円(税込)
TRACKLIST
CD
1. Introduction pt. 8 (Sunrise)
2. Life feat. Emi Tawata
3. Cosmic Maze
4. Master Blaster
5. Overflowing
6. Through The Night
7. ’Round Midnight
8. Love Theme From Spartacus
9. Wonderwall feat. Ray Yamada
10. Last Song
■メンバー
佐々木俊之(ドラムス)
梅沢茂樹(ベース)
中林万里子(キーボード)
LP
A1. Introduction pt. 8 (Sunrise)
Music: Toshiyuki Sasaki
A2. Life feat. Emi Tawata
Music & Lyrics: Desirée Annette Weekes & Prince Sampson
A3. Cosmic Maze
Music: Toshiyuki Sasaki
A4. Master Blaster (Jammin’)
Music & Lyrics: Stevie Wonder
A5. Overflowing
Music: Toshiyuki Sasaki
B1. Through The Night
Music: Toshiyuki Sasaki
B2. Round Midnight
Music: Bernard Hanighen, Thelonious Monk & Cootie Williams
B3. Love Theme From Spartacus
Music : Alex North
B4. Wonderwall feat. Ray Yamada
Music & Lyrics: Noel Thomas Gallagher
B5. Last Song
Music: Toshiyuki Sasaki
Guest Vocal: Emi Tawata (#A2) , Ray Yamada (#B4)
Cover Arrange: Nautilus
Nautilus: Toshiyuki Sasaki (drums) , Shigeki Umezawa (bass) & Mariko Nakabayashi (keys)
Recording Engineer: Naoki Hayami
Mastering Engineer: Moe Kazama (studio Chatri)
Designer: Masashi Nomura (montyacc)
Photographer: Orie Ichihashi
PROFILE: Nautilus
2014年、ドラマーの佐々木俊之をリーダーとして結成された、ジャズからファンク、ディスコ、ソウル、ヒップホップまでを消化した多様な音楽性を武器とした新世代ファンクバンド。ボブ・ジェームスの楽曲“Nautilus”から着想を得て、実在した潜水艦Nautilusとのイメージを織り交ぜて、1970年代のレアグルーヴサウンドを追求しつつ、深海にいざなうようなディープな世界観を作り上げている。今までにリリースした数多くの作品は海外でも高く評価されており、2023、2024年と2年連続でベルリンのジャズフェスティバル〈XJAZZ!〉への出演を含むドイツツアーを実施した。2024年現在、国内外で合わせて7インチシングルを28枚、フルアルバムを12枚と、驚異的な勢いで作品をリリースし続けている。