2015年のfox capture planと、彼らに共振するインスト・バンドたち
2015年の一発目となったミニ・アルバムは、彼ら初のライヴDVD付き。ミニマルなピアノと複雑なリズムの応酬がトランス感をもたらす“地下の世界に流れる時間”などエッジーに攻めた楽曲が多く、なかでもエフェクトをガシガシ駆使したウェイン・ショーター“Adam's Apple”のカヴァーが絶品!
今年の第2弾は、毎作恒例となっていた〈90年代の洋楽カヴァー〉の集大成となる一枚に。カーディガンズ“Carnival”やオアシス“Don't Look Back In Anger”などメロディーの立った曲が多いこともあってか、いずれも原曲のイメージに沿った素直なアレンジで演奏されており、彼ら世代のスタンダード集といった趣も。
bohemianvoodooの木村イオリ(ピアノ)、TRI4THの伊藤隆郎(ドラムス)、セッション・プレイヤーとして活躍する森田晃平(ベース)から成るトリオ。シンプルな構成ながら、ある種のロマンティシズムを孕んだ映像を喚起するような世界観は、オーケストラの名に相応しいものだ。12月にはニュー・アルバムも登場!
コンピ『Family』への参加などを経て、Playwrightに籍を移した2管編成のクインテット。フロア映えを意識した腰を揺さぶる分厚いサウンドは、〈覚醒〉を掲げて多彩なリズム・アプローチで畳み掛けた本作でも絶好調だ。fox capture plan作品にコーラスなどで関わるChihiroもポエトリー・リーディングで参加。
菊地成孔のプロデュースによる『シャーマン狩り』が話題となった小田朋美(キーボード)を新メンバーに加え、名前の表記も改めた新生第1弾作品。電化マイルス直系のエレクトリック・ファンクに磨きをかけつつ、アフロ・キューバンなポリリズムの混沌が南米のエキゾティシズムへと導く、妖しくも濃密な内容に。
岸本亮とPOLYPLUSで活動を共にする後藤俊明(ギター)をメンバーに含む、大阪発の8人組スウィング楽団。このミニ・アルバムにはラテンやカリプソ色も加えた風通しの良い楽曲が並び、海辺でパラソルを立てて楽しみたい感じ。布施明“君は薔薇より美しい”のピアノ・トリオ編成によるカヴァーも粋でグッド!
fcpに先駆けてピアノ・トリオの新たな可能性を模索してきた渡辺シュンスケ(キーボード)のプロジェクトによる、最新の成果をパッケージしたライヴ盤。スタジオ作品では顕著なエレクトロニクスの要素を排し、全編生のアンサンブルでエモーショナルに迫ることで、メロディーの良さがさらに際立つ結果に。
年頭にfcpとのツーマンも行った彼らは、トランシーな4つ打ちから日だまりのように優しいボッサまで、幅広い曲調をこなす4人組。ライヴハウスより野外が似合いそうな開放感のあるサウンドや、キーボード&ギターにリズム隊という編成などもあって、どこかSPECIAL OTHERSに近い雰囲気も感じられる。
高知を拠点に名を広げているギター、ベース、ドラムスという編成のトリオ。ライヴ感を重視するため大半を一発録りで制作したという本作は初の全国流通盤で、ガレージ・ロック感溢れるワイルドな演奏がギュッと凝縮されている。エレピで客演した岸本も3人に触発され、熱量の高いフリーキーなプレイを披露!
女性ピアニストの西山瞳が、自身の愛するハード・ロック/メタルの楽曲をアコースティック・アレンジでカヴァーしたプロジェクトの初作。メガデスやアイアン・メイデン、パンテラ、さらにはBABYMETALまでを俎上に乗せ、原曲の旨みを残しながらアドリブの効いた知的なプレイで生まれ変わらせている。
日本のクラブ・ジャズ・シーンの立役者である沖野修也が、平戸祐介(quasimode)や類家心平ら気鋭の若手と結成したプロジェクト。60年代のモード・ジャズをベースにしながら、テクノ~ハウスを参照したような反復で陶酔感を生む作りなど、fcp好きに刺さりそうな要素も多い。菊地成孔はここにもゲスト参加。
カワイヒデヒロとはライヴでの共演歴もある佐々木俊之(ドラムス)をリーダーに、TRI4THの竹内大輔(キーボード)とSpeaker Sgt.の梅沢茂樹(ベース)が集まったトリオ。この初作ではバンド名を引用したボブ・ジェイムズやロイ・エアーズらのカヴァーも交え、クール&メロウなファンクネスを全編で開陳してみせる。
タマスケアット(ピアノ)を旗振り役に、メンバーを固定しない一期一会のセッション・スタイルで活動するバンド。THE WASTEDやFAT PROPのメンバーといったロック畑のプレイヤーも多く参加しており、リリカルに跳ね回るピアノを主役に力強くドライヴする演奏は、思わずダイヴしたくなるカッコ良さ!
ハードコア・バンドと対バンしても引けを取らないパンキッシュなサウンドで人気を集めるワン・ホーン・クァルテット。サックスの猛々しいブロウと咆哮が飛び交う熱狂的なパフォーマンスは、今年6月のUSツアーよりNY公演の模様を収めた本作で追体験できる。自身の公演に招聘するなど、fcpとの関わりもあり。