自分たちだけの正解を求めて
――では、いくつかの楽曲について聞かせてください。1曲目の“心躍る方へ”は、アルバムのオープニングにふさわしいアッパーチューンですね。工夫に富んだ展開で、聴いているとワクワクします。
オオトシ「“心躍る方へ”はアルバムの1曲目をイメージして作った曲なので、そう言っていただけて嬉しいです。この曲に関しては、歌詞や構成に〈この曲の中でならこんなに恥ずかしいことも言えちゃうんです〉というような要素が入ると、聴いている人の気持ちももっと盛り上がるんじゃないかと、金井さんからアドバイスをいただいて。そのためにはどうすればいいか、自分たちなりに試行錯誤しながら形にしていきました」
――2曲目の“魔法使いになりたくて”は、大人になっても忘れたくないピュアな感情、ときめきを形にしたような曲だと感じました。
オオトシ「大好きな『魔法戦隊マジレンジャー』を久々に一気見した時に作った曲です。呪文の部分は最初は仮で〈ビビデバビデブー〉と入れていたんですけど、他の作品で使われている呪文だからダメだね、じゃあもう自分たちでオリジナルの呪文を作っちゃおうよ!という話になって、マホやソラと一緒に考えました。呪文を連続で言って曲を終わらせるようにしたのは、金井さんと一緒にスタジオに入った時に〈こういうのはどう?〉と提案してもらったからです」
金井「レコーディングって直訳すると〈記録する〉ですけど、ミュージシャンにとっては〈思い出作り〉みたいなところがあって。こういう癖のある終わり方をすると思い出に残るから、〈ちょっと無茶ぶりしてみよう〉と思いました。この曲に関しては、〈せっかく呪文を歌っているのであれば、オリジナルなものを考えてみてはいかがですか?〉と言い続けていた記憶があります。僕も歌詞を書くから分かるんですけど、それってけっこう無理ゲーなんですよ」
オオトシ「(深く頷く)」
金井「正解なんてなくて、選択肢はいくらでもある中で、何か1つを選んで、自分にとっての正解にしなければいけない。要は、1つに決めて責任を取るということなんですけど、スタジオの残り時間で3人が一生懸命考えて、今の形に辿り着いたんです」
オオトシ「自分たちにとっての正解を決めるのは、ホンマに難しかったですね。自分でも考えすぎちゃうと何が何だか分からなくなっちゃうし。だからこそ、直感で〈いいやん〉と思ったものを時間の限り追求しようという方向に固まって。この曲のレコーディングはめっちゃ記憶に残っています」