セルフ・タイトルの3作目を引っ提げて、堂々たる帰還を果たしたHump Back。アリーナ会場を満杯にする3ピースならではの、ロックンロールのスリリングな醍醐味と親しみやすさが見事に結実していて、林萌々子の飾らない歌が真っ直ぐに響いてくる。活動休止中にメンバー全員が母親になったこともあっての幼子を慈しむ“オーマイラブ”、RCサクセションを引用した音楽賛歌“ロケンロ”、人生まるごと肯定する“明るい葬式”……大人になることと向き合い、やるせない痛みや不安はあれども3人に迷いはなく、ここに通底するのは大きな愛と祝福だ。Hamp Backは鳴り止まない。