BRING BACK SUMMER!
[特集]夏フェスを聴こう!’23
夏が戻ってきた! 2023年はようやく本気でそう叫べそう。日本各地で開催される音楽の祭典に向け、耳のヴァイブスも調整していきませんか?
97年に開催された最初の〈フジロック〉から26年、すっかり日本に定着した夏フェスですが、今年はいつも以上にワクワクしちゃいませんか? だって、さまざまな制限下での開催だった数年を経て、ようやくフェスに〈いつもの光景〉が戻ってきそうなんです! 炎天下でのビール、大合唱されるアンセム、気になるあいつとのダンス……今年は自由に、好き勝手に楽しんだっていいはず。もちろん周囲への配慮や優しさを忘れずに!
ということで、bounceでは今回から2号に渡って、日本全国の夏フェス出演アクトの作品を紹介します。お気に入りのアーティストと作品を見つけて、耳も心も夏フェスにチューニングしていきましょう!
MIGHTY CROWN
最後のレゲエ・クルーズ、その前に……
99年に行われたワールドクラッシュでジャマイカ、NYのトップ・サウンド、セレクターを押しのけて優勝を勝ち取って以来、世界あまたのサウンドクラッシュを制し、訪れた地は実に40か国200都市以上。主催した〈横浜レゲエ祭〉を3万人規模のイヴェントにまで押し上げるなど、世界屈指のサウンドとしてレゲエ界で揺るぎない地位にあるMIGHTY CROWN。7月に開催する豪華客船でのクルーズ・パーティーを最後に、その33年に渡る活動を休止する彼らの軌跡が、このほど2冊の書籍にまとめられた。
MASTA SIMONを中心にメンバーが語る「世界サウンドクラッシュ紀行」は、ハードコアな活動の表裏はもちろん、レゲエの基礎知識や世界と勝負し続けるサウンドとしての極意にも言及した貴重な記録。黎明期の日本のレゲエ・シーンや駆け出し期のエピソードも興味深い。一方、セレクターのSAMI-T監修・八幡浩司著の「SAMI秘録 マイティー・クラウン/サミー・Tのストーリー」は、SAMIの生い立ち、転機となったNYでの体験から99年のワールドクラッシュまでを網羅。クラッシュの聖地ビルトモアでのエピソードなど、ジャマイカンさながらに〈イカれてはいたがイカしてもいた〉SAMIの道のりを描く。
前例のないことを現実にし、観る者を鼓舞するMIGHTY CROWNの面々が、次はどんな挑戦を見せてくれるのか。想いを馳せつつ読みたい。 *一ノ木裕之
このたび刊行された書籍を紹介。
左から、MIGHTY CROWNの著書「世界サウンドクラッシュ紀行」(イーストプレス)、SAMI-T・八幡浩司の著書「SAMI秘録~マイティー・クラウン/サミー・Tのストーリー」(ele-king books)