バッハの受難曲よりも100年以上前に作られたドイツ・ルネサンス最後期の作曲家デマンツィウスのヨハネ受難曲。ドイツ語訳の福音書をテキストとし、全編がルネサンス様式の多声音楽で作曲された、いわゆる〈通作受難曲〉というジャンルの音楽で、デマンツィウスの代表作。17-18世紀のドイツとイタリアの教会音楽録音で目覚ましい成果をあげているポリハルモニークは、この受難曲に17世紀ドイツの作曲家たちによる宗教コンツェルトを加え、作品様式の対比を示すことで、この受難曲の個性を際立たせる。精緻な歌唱も圧巻だ。